保険のギモン生命保険の基礎知識
必要な備えはどのくらい?
保険の基礎知識をご紹介しています。
保険について知ってから選びたい方や自分の入っている保険について知らない方はぜひご覧ください。
必要な備えはどのくらい?
ニーズ(加入目的)を再確認しましょう
No.1で、生活していく上での3つのリスク「死亡リスク」「疾病・傷害リスク」「老齢リスク」のお話をしました。それを頭に入れて、生命保険の加入目的をはっきりさせましょう。
- ・「遺族の生活保障」なのか
- ・「病気やケガに対する備え」なのか
- ・「老後の生活保障や介護への備え」なのか
必要保障額を考える手順(遺族の生活保障)
「では、どれくらいの保障額が自分たちにとって適正なのか?」は、二つの手順で考えてみることができます。一つは『支出と収入の見込額から考える』手順、もう一つは『具体的なキャッシュフロー表から考える』手順です。
『支出と収入の見込額から考える』
これは、以下の手順で試算することができます。
※内訳
- [1] 今後見込まれる支出
- 生活費(~末子独立時、末子独立後)、生活立直し資金、教育費、住居費、葬式代等
- [2] 準備済みの資金
- 金融資産(預貯金等)など
- [3] 今後見込まれる収入
- 遺族基礎年金、遺族厚生年金、妻の老齢基礎年金、妻の収入、死亡時の退職金
『具体的なキャッシュフロー表から考える』
これは、以下の手順で試算する方法です。
- [1] 家族のライフイベントを確認する(旅行、住宅購入、子どもの入学、車の買い替えなど)
- [2] それをもとに、支出予定をたてる(各年の生活費、イベントに要する費用など)※積算すると、将来(例えば30年後まで)必要な支出がわかる
- [3] 各年の収入の予定をたてる(給与、退職金、年金、その他の収入など)※積算すると、将来(例えば30年後まで)の収入がわかる
- [4] 各年の収支を計算する(各年の [3]-[2] )※積算すると、将来(例えば30年後まで)の過不足金額がわかる
- [5] 金融資産を確認し、④との収支を計算する(預貯金、有価証券、不動産など)※算出された金額が必要保障額 となる
いずれの試算方法であっても、年齢や年収、家族構成などいろいろな要素によって必要保障額は変わってきます。また、同じ人であっても、立てるライフプランによって支出や収入が異なってくるものです。
医療保障と老後の生活保障
ゆとりある老後に必要な生活費は、夫婦二人世帯で約38万円と言われています。年間約450万円になり、仮に60歳退職後の生活を20年間としても、9000万円が必要となります。退職金や公的年金などで3分の2の6000万円が用意できたと仮定すると、不足する3000万円を自分で用意しなければなりません。
対策としては、
- 「十分な貯蓄をする」
- 支出の見直しによる貯蓄計画の実行
- 「なるべく長く働き続ける」
- キャリアプランの充実と実践による収入増加といったことをあげることができます。この「老後の備え」には、できるだけ手をつけずにいたいものです。
とはいえ、病気やケガによる入院・治療費の負担や休業等による収入減少などが起こった場合には、この「老後の備え」を取り崩さなければならないかもしれませんね。そうならないためにも、『疾病・傷害リスク』に対する備えについて考える必要があります。
健康保険などの公的医療保険や勤務先の福利厚生制度などによってカバーできる部分を把握し、それをふまえて「どの時期に」「どのような保障が」「どのくらい」必要になるのかを検討します。ここでも必要保障額は、一人ひとりの状況によって変わってきます。